映画

「火の鳥 エデンの花」感想

STUDIO 4℃が望郷編をどう描き直すのか結構期待してたんだけど、微妙な作品だった。 尺の都合もあり映画向けにいろいろカットされたりアレンジされているのだけど、最大の相違点はやはりインセスト・タブーに関するくだりがばっさりカットされたところにある…

「大雪海のカイナ ほしのけんじゃ」感想というか考察

見てきました劇場版。まさか作品に初めて触れてから4日で映画見に行くとは思わなかった。 テラフォーミング進行中の星だったという事実に一本取られた感があり、まず考察書いて、その後感想書こう!と思ってたら考察書いただけでおなかいっぱいになっちゃっ…

『ストールンプリンセス -キーウの王女とルスラン-』 感想

ウクライナらしいアニメーションを期待して見に行ったんだけど、単なるディズニーの模倣に終わっていたのが残念だった。 エンディングのコンセプトアートっぽいもののタッチはすごく魅力的だったので、あれをトゥーンで動かすという選択肢はなかったんだろう…

「マルセル 靴をはいた小さな貝」 感想

擬人化された動物が人間社会にコンタクトすることで社会のなんやかんやを浮き彫りにしていく、よくあるタイプの寓話だと思っていたのだけど、この作品はそれをストップモーションと実写の組み合わせによってモキュメンタリーとして描いてるところが新鮮だっ…

『兵馬俑の城』 感想

CGのクオリティがかなり高い作品で、息を呑むほどに美しいシーンがいくつもあったし、アクションシーンもカメラワークで派手に見せてくれて退屈させなかった。キャラデ自体は思いっきりディズニーライクだけど、カメラワークや構図はかなり日本のバトルアニ…

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 感想

いや楽しかった。こんな楽しい映画体験になるとは思いもよらなかった。ハイクオリティなCG、縦横無尽なカメラワーク、スピーディな展開、コミカルさ、散りばめられた小ネタとアトラクションのような90分だった。 ゲームはマリオで育ってきたところは大いにあ…

プチ・ニコラ パリがくれた幸せ 感想

この作品は二人の原作者ゴシニとサンペのパーソナリティやキャリアを紐解きつつ、そこにクロスオーバーさせる形で『プチ・ニコラ』のエピソードが挿入されるというノンリニアな物語構造をとっている。そこにはゴシニとサンペの生きる現実と『プチ・ニコラ』…

らくだい魔女 フウカと闇の魔女 感想

先月見に行こうか迷っているうちに上映終了になっていたらくだい魔女。偶然EJアニメシアターで上映中とわかり行ってきた。 二の足を踏んでた理由としては、キービジュとトレーラーから女児向け感爆発していて見に行くのちょっと勇気いるやつだったし、何より…

急減速

NHKスペシャル「キラキラムチュー ~発達障害と生きる~」を見た。ニューロダイバーシティの立場から非定型発達を取り上げたっぽく、子どもたちが好きなことに打ち込む姿はじめ番組全体として「子どもには好きなことを」というポジティブなメッセージを発…

かがみの孤城

14時半起床。8時間寝た。13時頃に目が覚めたのを見るに概日リズムは狂ってないっぽい。 かがみの孤城を見てきた。原作の題材やストーリーと原恵一のリアリズムがとてもマッチしたいい作品だった。巧みな心理描写に繊細な芝居が付けられていて冒頭で心を掴ま…

マッドなゴッド

14時半起床。どうにも寝過ぎる。メラトニン投入しよう。 マッドゴッドを見てきた。映像が目に焼き付いて離れねえ。寝不足な上にキノッピオに続きこの日2本目のストップモーション。しかも親切にストーリーテリングしてくれるタイプの作品ではないようで、地…

倫理が問われる

14時起床。13時少し前に覚醒するも気持ちが沈んで起き上がる気になれず二度寝してしまった。先行きへの不安感が強いことでどうしても気持ちの浮き沈みが激しくなってしまうな。早く足掛かりを得たい。ただ、しっかりノルマこなして毎日達成感を味わうだけで…

新釈スラムダンク

13時起床。久々に8時間で起きたけど少し眠い。 ファーストスラムダンクを見てきた。映画化の話を知った時、映画という媒体で改めて何を描くつもりなのだろうという疑問がまず浮かんだ。シリーズ化してイチから全てを描くのか、完全新作を作るのか。新規層の…

天国から地獄から天国

・外出で疲労困憊した日曜に始まり、月曜はトレードで上手くいってウキウキ、火曜は寝不足でなんもできず、水曜はミスから大損こいて放心状態になり、木曜はそのショックが抜けきれず、翌金曜は焦りから雇用統計で更に大損して絶望するもそこからのダメ元ト…

夏へのトンネル、さよならの出口

・良い作品だったし好きだと思ったけど、いや好きだからこそここがこうだったらってところがたくさん出てきてしまった。心理的虐待をする主人公の父親、クラスメイトを殴りつけるヒロイン、序盤の2つのシーンからカオルとあんずの不安定さが顕になるとともに…

ミューン 月の守護者の伝説

・3月後半に東京写真美術館(TOP)でオリジナルのフラ語版が先行公開されてたんだけどタイミングが合わなくて行けず、しゃーないから日本語吹き替え版で見るか大橋彩香だしと思ってたところGWからフラ語版がTOPで再上映。というわけで恵比寿まで行ってきた。 …

オッドタクシー イン・ザ・ウッズ

・最終回を見てから3ヶ月くらいしか経っておらずそれで改めて総集編を見るのもなあとあまり乗り気ではなかったのだけど見てみると思ってた以上に新規シーン満載で、別角度から再構成された物語は普通に面白かったし、物語理解が深まる側面もあった。正直見る…

鶏の墳丘

・たまたまイメージフォーラムで上映されることを知った。キービジュを見た感じファンシーな作品なのかなというノリで乗り込んでいったのだけどまあ地獄だった。 ・物語性が全く希薄で、展開に連続性も無ければ明確な意味も持たない。というか物語展開という…

永遠の831

・時間停止能力という着想や同じ能力を持った主人公とヒロインがボーイミーツガールするところまでは面白かったけど、それ以降は政治的なメッセージを垂れ流すだけの内容でエンタメとしての体をなしていなかった。主張が正しい正しくない以前にひたすら陰鬱…

ブルーサーマル

・航空部という珍しい部活が舞台ではあるけど物語的には部活モノの文法に則ったオーソドックスな内容で、ヒロインの明るく直向きなキャラクターも相まってそれなりに面白い作品だった。あと堀田真由がすごくハマっていて長崎弁がめっちゃかわいかった。ガチ…

アンネ・フランクと旅する日記

・アンネの日記はもう何年も前に一度読んだけど、隠れ家での生活が日増しにひもじくなってくる様子と割と生々しい表現が多く見られたのが印象に残っている。というかアンネも死後に勝手に日記の内容を晒された被害者の一人だよなと思う。まあオットー・フラ…

TAAF2022で上映された障害をテーマにした短編アニメ4本

TAAF2022の短編アニメーション部門で障害をテーマとした作品が4本上映されどれも面白かったので感想ついでに紹介でもしてみたい。と言っても1ヶ月以上経っちゃってるので細かい筋までは思い出せないのだけど。 ちなみにこれらの作品がどこで見られるのかとい…

TAAF 2022 短編スロット3

上映後トークショー フランスからの出品が多い 海外作品と比較すると日本の作品は制作人数に関係なく内省的、私小説的 受け手にしても作家と作品を近づけたがる傾向がある 感想 このスロットに限らないけどゴブランズの作品はめちゃくちゃレベルが高いと思っ…

TAAF 2022 短編スロット2

上映後解説(選考委員×叶精二) スロット2に限らず見てる側も楽しめる作品が多かった CG作品についてはフォトリアル傾向が薄れてテクニカルな傾向に CGが個人で作るにはあまりに高度になりすぎていることが一因なのではないか 手描き回帰傾向もそれゆえなの…

グッバイ、ドングリーズ!

・変化への渇望や冒険を通じて描かれるビルドゥングスロマンといったテーマ、周縁的な存在である主人公たち、コンプレックスなど『よりもい』を踏襲して作られた作品であることは明らかだったが、『よりもい』のような面白さは感じられなかった。 ・『よりも…

TAAF 2022 短編スロット1

ストーリーのある作品が多く一番楽しめたスロット。 全体として製作国がバラけていてその国らしさを感じられるスロットだと指摘されていた。 なおこのスロットでは1作品ずつ解説する形式を取っていた。 高野交差点 目標に向かってもがく3人の登場人物を短い…

捨てられたものの街

上映後トークショー 制作期間は10年 全体的に画面が暗い 客観的なカメラワーク、ゴミたちが過度に擬人化されない辺り日本的でなく、ピクサーの影響が色濃い アニメ演出家であればごまかすような部分も細部まで描き、実写出身ゆえのディテールへのこだわりが…

おこんじょうるり

温かみのある人形の質感、コミカルさ、そして歌を始めとした音響へのこだわり。特にやはり蘇我マミの歌声と歌唱がおこんじょうるりを決定的に印象付けていると言っても過言でなく伸びやかな歌声がなんとも気持ちよかった。歌詞もかわいいし。 そういった側面…

ピカドン

被爆直後の光景があまりにおどろおどろしく戦慄した。凄まじい作品だけど怨念がこもりすぎててしんどい。 『ヤマンへの手紙』はピカドンへのオマージュでもあるのかな。

ボブ・スピット-人間なんてクソくらえ-

上映後解説(コルピ・フェデリコ×叶精二) 制作会社はブラジルのアメリカの下請けが主?(ちょっと失念)の会社で、本作は石油系メジャーや政府関連団体から出資を受けている アンジェリは実在の漫画家で、作中に登場する漫画も実在のもの。50年代アメコミのアン…