アンネ・フランクと旅する日記

アンネの日記はもう何年も前に一度読んだけど、隠れ家での生活が日増しにひもじくなってくる様子と割と生々しい表現が多く見られたのが印象に残っている。というかアンネも死後に勝手に日記の内容を晒された被害者の一人だよなと思う。まあオットー・フランクによって家族批判とかまずい部分は削られてるらしいけど。映画ではその点にも触れていて、その意味では割と公平な作品と言えるのかもしれない。

・アンネのイマジナリーフレンドが現代に実体を持って現れ、言わばアンネの分身として過去と現代を行き来しつつアンネの過去を追体験していくのは面白い物語手法だと思った。キティの歩んだ軌跡はアンネが現代に生きていたらというifでもホロコーストが無かったアンネ・フランクの人生を投影したものでもあったのだろう。

・キティの体験はアンネの体験にアンネ・フランクの生涯を伝えるとともにアンネの日記の持つ現代性を問う作品にもなっていたが、ユダヤ人と難民の強制収容を重ねているのにのは無理も感じた。