ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 感想

  • いや楽しかった。こんな楽しい映画体験になるとは思いもよらなかった。ハイクオリティなCG、縦横無尽なカメラワーク、スピーディな展開、コミカルさ、散りばめられた小ネタとアトラクションのような90分だった。
  • ゲームはマリオで育ってきたところは大いにあるので個人的に小ネタの山が一番楽しかった。『ドンキーコング』のアップライト筐体、横スクロール風の構図、動く床にちくわブロック、マリオカートでのショートカットなどなど脚本から演出、音楽に至るまで数え上げればキリが無いほどで、見つけるたびにテンションが1UPしていき、終わる頃にはストーリーの盛り上がりも相まって残機99になっていた。
  • 今回新しく提示された平凡で割と情けない、「スーパー」じゃない卑近な存在としてのマリオ像も新鮮だった。ともすればコミカルなアクション映画に出てくるテンプレ主人公のようだったけど、それでいてちゃんと『スーパーマリオ』だったのは演出、美術、また大量の小ネタによるところもあったけど、陽気でお茶目だったり正義感が強かったり、ゲームで描かれてきたキャラクターの基本線から外れていなかった点が一番の理由なのかもしれない。
  • そのあたりを具体的にどのように言語化し、宮本茂がどんな風にお目付役していたのかは気になるところ。特にマリオは基本喋らない主人公なので、ここまで明確なキャラ付けは公式にはされてこなかった分、結構難しい作業だったんではないかと察する。
  • チャールズ・マーティネーのマリオが完全に浸透してしまった耳で宮野真守のマリオが受け付けるのかとも思ってたんだけど、第一声からほとんど違和感がなくて驚いた。吹き替えの芝居だからかもと思ったけどどうなんだろうか。逆にルイージ畠中祐ピノキオの関智一はちょっと違和感があり、特にピノキオは原作のあの甲高い声のイメージが強かったのでなんか違うなと。まあ見てるうちに慣れてしまって見終わったらアリになっていたけど。一方でクッパ役の三宅健太はもう吹き替えのクッパ三宅健太以外考えられないってレベルにハマっていた。弾き語りも最高だった。
  • 今回はIMAX3Dで見たのだけど、3Dに気づいたのが一部エフェクトとエンディングロールくらいで2Dと比較してどこまで没入感を高めていたのかはちょっと分からない。画面がデカければデカいほど楽しい映画というのは間違いなくて、できたらグランドシネマサンシャインのクソデカスクリーンで見たかったし、字幕でも見たかった。4Dが楽しいという感想も見かけたけどこのアトラクションのような作品ならそれも頷けて、4Dでも見ときたかったなと思う。