上映後解説(選考委員×叶精二)
- スロット2に限らず見てる側も楽しめる作品が多かった
- CG作品についてはフォトリアル傾向が薄れてテクニカルな傾向に
- CGが個人で作るにはあまりに高度になりすぎていることが一因なのではないか
- 手描き回帰傾向もそれゆえなのかもしれない
感想
スロット2は抽象的な作品が多めでパンフレット読んで意味を理解したような作品もままあった
HIDE AND SEEK
比較的わかりやすい叙述トリックではあったけど、殺された母親の視点に始まり終わるうまさ。学生作品とは思えない非凡さを感じた。
乾いた海
船は過去の象徴、砂漠は空虚さ、砂嵐は葛藤や苦悩と言ったところだろうか。あんまりピンとくるテーマではなかったかな。
存在する不在
ホームレスとそれを取り巻くメディアや政治家の偽善を批判する。ホームレスのためを謳いながらその実としては食い物にしてるに過ぎずホームレスは「不在」であると。なかなか痛烈ではあったけど日本だとあんまりピンとこないテーマ。まあホームレスを別の何かに置き換えると同じことは言えるのかも。
ママ
これも『存在する不在』と同様に弱者を食い物にしてることを描いた作品だったんだろうけどいまいちよく分からなかった。
小さなカカシのものがたり
大人になる過程で喪失していくものを描いていたと思うのだけどあんまりピンとこなかったかな。
束縛
やや抽象的なドローイングアニメーション。面白い映像だった。
ウロボロス
習慣に縛られることをねっとりとした液体が人々を飲み込むことで表現していた。初見だとそこが分からなかったためあまり楽しめず。
きまぐれな雪
恋愛関係と北極の風景を重ね合わせる面白さがあった。
砂漠の砂箱
ストーリーも演出も凄く良かったはずなんだけど、なぜかあまり印象に残っていない。
※靴の中の小石、たいせつなことの感想はまとめてこちらに書いた