マード 私の太陽

  • イスラムの家父長制の歪な側面を批判的に描く作品が多い中、マードには文化や風俗にもフォーカスしつつ外部の視点からイスラム社会の内部を描き出す新鮮さがあった
  • 男性優位社会特有の不条理さは描かれるもそこに失望するだけの内容にとどまらず、互いに困惑しながらも認めあっていく
  • そうした夫婦の姿、カブールに残ったヒロイン、日の昇るラストシーンに融和への願いが込められていたことも感じる
  • 疎外されていたマードが融和の象徴として描かれる、またムハンマドの名が与えられているという叶精二の指摘が興味深かった
  • TAAFディレクターが語ってたようにイスラム圏は外から見るより、少なくとも家の中には多くの自由があるのかもしれない
  • まあそれも家によってというところもあるんじゃないかとは思うが
上映後の叶精二による解説メモ
  • アメリカ軍がアフガン撤退前に制作された作品
  • 監督・脚本はともに女性
  • 監督はこれまでは抽象的な作風だった
  • プラハの春を経験していることが創作につながっている部分はあるのではないか
  • 血縁のない者たちが家族を構成していくという見方