いやー難しかった。
ここまで難しいゲームは久々にプレイしたけど、達成感もひとしお。
プレイ日数は16日で、プレイ時間は30時間は優に超えている。
序盤から最後まで「これ無理ゲーやろ……」の連続で苦労しかしなかったけど、終盤の死の谷から大神殿にかけてはあたおか難易度でこっちの頭がおかしくなりそうになっていた。
なんやあの浮遊物体!なんやあの鳥!なんやあのボス!
ただ、何度も死んだ無理だと思われていたステージがいつの間にかノーダメージで通過できるようにすらなっていて、上達を強く実感できるゲームでもあった。
当初は理不尽だと感じられる部分もポイントが分かればちゃんとクリアできるようになっていて、良い塩梅になっているのだ。
またアクションが難しいながらすごく面白いゲームでもあり、AB2ボタンと十字キーという単純な操作体系にかかわらずアクションの幅が広く、敵は敵で防御したりジャンプしたりとそこに駆け引きがあり、奥深さが感じられた。
特に盾を使ってリンクの攻撃を防いでくる敵キャラとの戦闘はさながら格ゲーであり、3Dゼルダ以降の「チャンバラ」と遜色ない遊びごたえがあった。
しかしアクションの面白さに反してあまりにストレスを感じるゲームでもあり、ゼルダシリーズとして見るとレベルデザインやゲームバランスはかなり粗っぽかった。
前作「ゼルダの伝説」(初代ゼルダ)から続けてプレイしただけに余計にそう感じられた。
このゲームを何が難しくしているのかというと、まず確かにアクションの難しさはある。
そこに輪をかけて難しくしてるのがリスポーン地点が城に固定されている点と、レベルダウンのデスペナルティにある。
フィールドの雑魚からして強い、神殿にたどり着けず死ぬ、スタート地点、経験値リセット。
死にかけながら辿り着いたら神殿自体もひどく難しい、あっさり死ぬ、スタート地点、経験値リセット。
結果、何度も何度も同じ道を通らされ、何度も何度も同じポイントで死に、レベルも上がらず、鬱陶しいくらいのロードも相まって、ひどくストレスが溜まるゲーム体験になっている。
アクションは難しいけど面白いのに対して、リスポーンとデスペナに関してはほとんど面白さにはつながっていなくて、ただ理不尽なだけなのだ。
逆に言えばリスポーン地点とデスペナの問題さえ改善されれば「初代ゼルダ」が今遊んでも十分面白いように、リンクの冒険もまた名作として扱われていただろう。
何度も繰り返すようだけどアクションはとても面白いゲームで、もっかいチャレンジしようと思えたのはそこが面白かったからだろう。
リンクの冒険が当時のプレイヤーにもっと膾炙して「アタリマエ」になっていたら格ゲーに先駆けて任天堂はどんなゲームを作っていたのかとすら思う。
不思議に感じるのがプロデューサーとして宮本茂がかかわっていたにもかかわらずこんなに粗い作りになっていた点だ。
ディレクターの杉山直は当時の開発を振り返るインタビューで、当時のアクションゲームの難易度の水準がこんなものだったと語っているが、「初代ゼルダ」に比べるとシビアすぎ、任天堂らしからぬ宮本茂らしからぬゲームだったと思えてならない。
ただ、この時期は「スーパーマリオブラザーズ2」も非常に難易度が高く仕上げられていて、当時の宮本茂はどういう考えでゲームを作っていたのかは気になるところ。
参考リンク:
ディレクターの杉山直へのインタビュー、
topics.nintendo.co.jp
小泉歓晃のSFC版リンクの冒険への言及。ゼルダシリーズのチャンバラへのこだわりも伝わってくる。
www.nintendo.co.jp
説明書をウェブ上で再構成したような公式サイトで凝った作りになっている。初代ゼルダのもある。
www.nintendo.com