実家は人を堕落させる装置

  • 指先から宇宙まで 素晴らしき短編アニメーションの世界を見た。上映後のトークショーの中で、見たらどっと疲れたみたいなこと言ってたけどそれくらい濃密かつ奇妙な1時間の映像体験だった。個人的に気になったのは以下の3本。
    「不安な体」はセロテープに触れる感じやささくれが剥ける痛みといった身体感覚をダイレクトに感じられるような映像だった。それがシンプルに描かれた指のアニメーションを通じて表現されていたことがまた映像としての妙に思えた。
    「I'm Late」は今年のTAAFで見た『穏やかな狂気、激しい錯乱』のようなタッチで描かれた整理についてのドキュメンタリー。生理について語る男女が次々と浮かんでは消えていくように現れ、純粋に様々な声が興味深かったけど、ソリッドな形を持たない人物の描き方は生理に対する社会の茫漠とした態度を表してるようにも思えた。
    「ETERNITY」は生命がたどる循環をサイケデリックに表現していて、生命が生まれて進化し、人が歩み、ひょうたんの中でるつぼで溶け合うように渾然一体となる様子を繰り返し描いていた。循環を繰り返すたび並び歩く者が女性となり更には動物となっていくのは進歩を、最後のチャプターで縦横無尽あらゆる方向に進む姿は多様さを表現していたんだろうか。
    トークショーではETERNITYの監督とコンポーザーが登壇。Unityで制作したと言っていたけどクオリティの問題もあるのか正直3D酔いしかけたシーンもあってちょっとキツかった。他には映像作家としての原体験が『できるかな』のトンネルを工作する回にあること、逆再生した映像を見ながらセッションをしてそれを逆再生した音楽が劇伴として使われているといったエピソードが語られていた。
  • 実家に帰ってきて早くも2日が経った。一日中ボーっと過ごし続けるばかりで想像の遥か下を行くパフォーマンスを発揮している。気づけばもう明日は大晦日。3日には帰るわけだからマジで猫と戯れるだけで帰省が終わる気がしてきたぞ。