アイの歌声を聴かせて

予告を見た当初からストーリー、ビジュアル、楽曲全てに惹かれていた作品で、楽曲については土屋太鳳の歌唱力も相まって本当に素晴らしかった。

脚本についてもストーリーテリングが巧みで笑えたりウルッと来たりで楽しい作品ではあったのだけど、ちょっと単純過ぎるところもあり没入しきれなかった。

人間関係を簡単に描いていたり、物語の根幹となるアイの設定周りがSF的にあまり厳密でない辺りはどうしてもご都合的なものに映ってしまった(ついでに言うとちょっとクサかった)

画面が緻密に設計されてるからこそ余計にリアルじゃない部分に目がついてしまったというのもあるかもしれない。

またテクノロジーに対するあまりに楽観的なスタンスも気になったところで、アイを廃棄しようとする大人たちは一方的に悪者として描かれるけど、与えられた権限を超えて行動するアイは見ようによってはサスペンスであり、もう少し両面的に描いても良かったのかなと。