死が染み渡る

冷蔵庫の中も閑散としてきたので今日は買い物に出かけた。
最近は格好にだいぶ無頓着になってきた。
相変わらずオシャレは好きで、決める時は周りから引かれるくらい決めるのに、どうでもいいと思う場所には家着のまま出かけられるようになってしまった。
近所はもちろん、郵便局でも図書館でも駅でも。
先日の美容院なんかですら下だけ履き替えて、上は家着のまま適当に上着だけ羽織って行くような始末だった。
10代の頃はそれこそコンビニに出かけるのもいちいち髪をセットしていたような覚えがある。
それが今では近所をうろつく時は野暮ったいおっさんになってしまったのだから人間変わるものだ。
当然年齢的なことはあるだろうが、やはり物事へのこだわりが減ったことが根本的な原因に思える。
猫が死んでから、いちばん大切なものを諦めてから様々なことへのこだわりが薄れていったけど、それがこんなところにも現れている。
ふたりの死は浸透するかのように僕の身体に今も広がり続けてるのかもしれない。
そう考えると未だふたりの存在を近くに感じられるようで、それは愛おしくもあり寂しくもある。