NHKスペシャル「キーウ 子どもたちの冬」 感想

  • 戦争に直面した子どもたちのPTSDとか傷ついた心に焦点を当てたありきたりな内容かと思ってたら、そうした側面もあったけどむしろ子どもたちのロシアに対する憎悪を浮き彫りにしていたのが印象的だった。
  • どこの国民だろうと侵略を受けて生活が破壊され、隣人友人が殺されれば憎悪を覚えないほうが難しいだろう。しかしウクライナではそれが幼い子供にまで起きている。対象が何であれ子供が憎しみの感情を抱きながら発達するのが健全なわけがなく、それが現実に起きていると思うと暗い気持ちになる。
  • そんな子どもたちに対して教師たちは憎悪を抱かず、許しへと導こうとするのだけど、キーウにいたお前らに何が分かんの?というロシアを憎悪する疎開者の絶望の前にはあまりに無力で、それはカメラの向こうの自分たちにも突きつけられた態度にも思えた。
  • 最終的には教師たちのアプローチによって生徒たちの心の変化が起きたように描き、希望を持たせるストーリーになっていたけど、実際には変化なんてほとんど無いのだろうと思うと余計に虚無感が強まった。