最後の最後で真に詐欺師になるという構成はなかなかニクかった。
画一性へのアンチテーゼとしてのアクダマたちであり、自分を貫くこと、自分で選択すること、主体的であれと強く訴えかけてくる作品だった。
ただそれが一般人まで巻き込んで正当化されるとなると痛快というよりは利己的にしか見えず、そこが引っかかって最後まであまりアクダマたちに魅力を感じられなかった。
その意味ではクライムアクションとしてはちょっと軽すぎるところもあったのかなと。
まあ迎合的な大衆なんか無辜とは言えないということなのかもしれないけど。
それこそ序盤から詐欺師がもうちょっと主体性を示していたら全然違う印象を受けていたようにも思う。
とは言え彼女のありようの変化こそがテーマを体現していたと考えるとそれではダメだったのかなあ。