集英社の漫画版の世界の歴史 文庫との比較とか

シュメール文学を読んでみようというところから始まって、色々あって世界史をまず勉強しようと思い立った。
色々の部分はめんどくさいので省略するけど、虫食いだった歴史の流れがだいぶ補完できたし結果的には勉強して正解だった。
今後の読書理解にも大いにつながっていくと思う。
個人的にはプレイヤーの多さが原因で特に近代史が欠落していたし、また現在の国際情勢と地続きになっている部分も大きく、そこを補完できたのが一番の収穫だったかもしれない。
面白さという意味でも同じく19世紀後半からの列強間のつばぜり合い出し抜き合いの激しい同時代だと思った。まさに競争って感じで。
一方で残酷さも極めていく面も否めず、エキサイティングしながらも虚しさも募る複雑な心持ちで読んではいたけど。
関係ないけど、古代だってひでえ拷問したり暇さえあれば侵略繰り返しまくってたのに近代ほどに残酷な印象を覚えないのはなんでなんだろう。イメージのしやすさだろうか。
で、勉強と言ってもタイトルの通り読んだのは学習漫画
さすがに20巻立てなだけはあって山川の教科書よりちょっと濃いくらいの内容はあった。
20巻でその程度かよと思うかもしれないがまあ漫画だし分量的にもそんなもんだろう。
それにやっぱり漫画というメディアは入門書として素晴らしいなと改めて思った。
今は知らないけど教科書って出来事や人物を羅列していくだけだからもう退屈で退屈で。
漫画だとそうした羅列が主人公を立てたストーリー仕立てになっているため楽しんで読めるし、その上で絵がつくから理解も進みやすい。
さすがに普通の漫画と比べたら面白さは劣るけど、それでも教科書読むかこれ読むかなら圧倒的にこっちだろう。
学校でも日本史版もセットで計40巻くらいkindleにぶち込んで配布でもしたほうが学生も歴史の授業がまだ楽しくなるんじゃないだろうか。
コストとかは知らん。
ただ時代が下って社会システムが高度化複雑化していくに従ってやや難解な部分も出てくる上、解説にそこまで紙面を割けない都合上、こんなざっくり解説じゃ厳しいだろってところが散見されなかったわけでもない。
それもあって、ちゃんと理解しながら読んでいくと1冊平均2時間から2時間半はかかっていたように思う。
山川の教科書が3日で読めるとすれば、その3~5倍くらいの時間を要してしまうのは欠点っちゃ欠点だろう。
あと学習漫画なので表現はだいぶマイルドに抑えられてるので、綺麗すぎて受け付けないという人もいるかもしれない。
大国と化した中国の一党独裁への批判も甘いんじゃねと思ったのだけど、未来志向的なという編集方針にそぐわないということで盛り込まれなかったようにも思えた。

文庫版との比較

図書館にあったシリーズだったのだけど、文庫版の方も置かれていたので簡単に読み比べなんかもしていた。
読むことだけを考えれば20巻立てのヤツのほうが字もデカいしカラーページもあるし可読性が高い。
また巻頭巻末の図版や補足資料もトリビアルな側面もあったりして面白かった。
一方で文庫版は漫画部分は多分ほぼ同内容で、2巻分が1巻に収められた全10巻構成に再編集されている。
加えてルビ振りが無くなっていたり、もう少し突っ込んだコラムが追加されてたりと大人をターゲットにしたものになったという印象を受けた。
あと巻末に巻ごとのテーマに沿ってやや周縁的な歴史解説みたいなものが寄せられてるのだけど、興味深いものも少なくなかった。
WW1がテーマの確か9巻は急速に発達した軍事技術に対して軍隊はそれを上手く扱えてなかったとか。
装丁もこっちのが外でも開きやすいかな。20巻立てのはザ・学習漫画って感じの装丁だし。
まあ広告貼っといてあれだけど、図書館で読めばいいんじゃないかな。
今値段確認してみたらクッソ高かったし。