- いやー改めて見てもめちゃくちゃ面白いなこれ。特撮版見た後だとさらに面白い。
- 特撮版と比べると登場人物や舞台はもちろん、プロットから作風まで完全に様変わりしているんだけど、グリッドマンの存在を始め引き継がれている種々の設定や原作愛溢れるオマージュによってグリッドマンらしさは確かに保たれている。
- 踏襲されている点としては様々にあるけど、キャラクターで言えば裕太、内海、六花、アカネはそれぞれ直人、一平、ゆか、武史のポジションにそのまま収まっていて、アカネが些細なことでブチギレるのも武史のキャラクターが反映されている。内海と六花は一平とゆかほどの活躍は見せなかった印象があるけど、改めて見るとそうでもないのかもしれない。
- キャラクターは現代風にドライに描き直されていて、そこが本作の魅力の一つのリアリズムをもたらしているけど、どうやってもあの武史の魅力にだけは勝てないかもしれない。武史が痛い目を見てメガネグイッしないとグリッドマンじゃないんだ(急進派) アレクシス・ケリヴの下手に出てくる感じはカーン・デジファー様の寛容さを現代風に描き直していると言える。
- グリッドマンのデザインが大きく変えられていることにも驚いた。アニメ版こんなカラーリングだったんだと。
- 戦闘では怪獣との格闘が主体となるところや、ピンチ時のSEやお約束のグリッドビームがそのままなところも良くて、そういう原作オマージュを見つけるといちいちテンション上がってしまう。正直OPテーマがかかったときに特撮版のOPかかれと思ってしまったくらい。いやオーイシマサヨシのやつも好きだけど。
- 作品単体としても非常によく出来ていて、何をおいてもやっぱりセリフ、芝居、音響に見られるリアリズムに心を掴まれる。でありながらもコマ撮り風の演出を取り入れてみたり、
スペシャルドッグにボールが直撃するシーンでやりすぎるほどに間を取ってみたりとメリハリも利かせている。非常にトリガーっぽいとも思う。怪獣の表皮がぽろぽろこぼれ落ちるシーンなんかも作り物であることを感じさせ、細かいところまで説得力を持たせてるのもいい。
- 脚本そのものも非常に面白くて、主人公の記憶喪失に始まり、パソコンの中に現れるグリッドマン、空に浮かぶ怪獣、謎の男と日常と非日常の対比から生じる不穏さによってどんどん引き込まれていき、Bパートでバトルに入って撃退したかと思いきや、なぜか街が元に戻っている。巧みに謎が散りばめられていて早く次回が見たくなる。