ドルの押し目買い

先週いくつかの通貨ペアでエントリーポイントがあった。
まず週初から動きを見せてきたのがドル円で、その前に9日の雇用統計に端を発するドル売りがあった。
このドル売りについては正直なところ、賃金の伸びは確かに弱いものの堅調な雇用者数を勘案すると弱すぎると言えるほどの値動きで不可解な感じはあった。
とはいえリスク回避的な方向に舵が切られたことに変わりはなく、押し目買いを狙うことに。
日足ベースで見ると、116円付近にサポートがあることが分かる。

が、ローソク足を見ての通り、前回の下落時には急反発したこともあり、サポートの大体の位置がかなり見極めにくかった。
というか実際に見極めきれず、それが今回買いを入れられなかった大きな原因の一つと言っていい。
初めは大体117円くらいかと考えていたが、前回一気にサポートを突き抜けていったことを考えるとイマイチ自信が持ちきれず、
そこで相関性の高いダウ日経及び米債金利を参考にすることにしたのだが、直近の株価に関してはかなりドル円と近い値動きをしていることが分かった。


上がダウ先で下が日経先物なのだが、共にレンジ下限に接近しており、この辺りの下値を目処に買いを入れる戦略を取ることにした。
月曜日に118円を割り込むと、火曜日はその流れを引き継いだまま株価とともに大きく下げ続け117円に到達。
117円では多少もみ合うもあっさりとスルーしていき、株価も十分なレベルまで下がってきたのでさあ買いを入れるチャンスが到来したぞ
……といきたかったのだが、ちょうど小売売上高とバッティング。
さすがに大きなイベントの前にポジションを取るようなリスクは背負えず、116円半ばくらいでじれったい思いで指標を迎えることになったのだが
ポジティブな内容でそのまま上昇していったら仕方ないとして、ネガティブな結果だった場合はどこまで下げたら買いを入れるかを再考。
もう一度ダウのチャートを見てみると、レンジ下限の少し下にサポートラインが存在していることが分かる。
この近辺まで下げたらドル円がどのレベルにあっても買いを入れる方針を選択。
そして小売売上高は相当ネガティブな結果になり、一気に117円割れまでいったのだが、なんとそこを境に急反発。
指標直後に円買いを入れようかと思ったほどに小売売上高の内容は悪かったのでこれまた不可解な動きではあった。
急反発の理由として担当者から原油安の影響が大きいという説明が出たためという解説しているニュースサイトがあり、
WSJの翌日の記事にも原油安によって売上自体は堅調だったが、売上「高」にかなり影響が出たという記事もあった。
しかし、改めてチャートを見てみて個人的には株価にしてもドル円にしてもこのレベルに大量の買い注文が入っていたというのが一番の要因だったように思われる。
そんなわけで今回は買い場を見出しきれないまま切り返してしまうという残念な結果に終わってしまった。
ちょっと慎重に行きすぎだろうかとも考えてしまうが、下値が見極めにくかったこと、指標と重なってしまったことを考えるとこのドル円に関してはしょうがないだろう。
特にあの指標内容から大きく切り返すというのはとてもイメージできなかったことを考えれば尚更に。