スイスフラン上限撤廃

前週の象徴、というかおそらく今年の金融市場の3大ニュースに間違いなく食い込んでくるだろうと言えるイベントが今回のスイスフラン上限撤廃だった。
教科書に載るレベルの歴史的イベントだったと言っても差し支えないだろう。なんの教科書かは知らないが。
確かにECBによるQEが近づく中でSNBはどうやってスイスフランを抑え込み続けるのだろうかとぼんやりとは思っていたのだが、まさか前触れもなくこんな思い切った措置に出るとは思わなかった。
数日前にSNB副総裁がスイスフランの上限設定はSNBの金融政策の要だと言っておきながらのこの措置は市場との対話に問題があったのではないかという批判も散見されるが、その辺は措いておく。
実を言うと、奇しくも政策発表時には外出していた。
帰ってきてチャートを見て最初は笑うしかないという感じだったのだが、その後徐々に居合わせられなかったことに後悔の念を覚え始めた。
仮に初動から5分後のタイミングでエントリーできていたら……などと悶々としていたのだが、よくよくチャートを見るとあの殺人的なボラの中でポジションを持とうとすることなど狂気そのものだったとしか言いようがない。

こちらは1分足になるのだが、1分間に1%~10%以上相場変動していることが分かる。
僕は結構レバレッジをかけて取引しているため、LCがまともに機能していたかもわからないことを考えればタイミングによっては即死していたわけだ。
一応ゼロカット業者なので追証とまではいかなかっただろうが、退場していたことに変わりはなかっただろう。
それ以前に、ちょいちょい値が飛んでいることも見て取れるが、そもそもあの逼迫した状況で買いを入れられたかも定かではない。
とは言え、仮に運良く最良のタイミングで売りを入れていたなら……と考えてしまわずにはやはりいられないのだが。
エントリーに至らずともただチャートを眺めてるだけでも楽しかったであろうことは想像に難くなく、出来るならその場に居合わせたかった。
まあこの辺りは巡り合わせと考えて諦めるしかないが。
ちなみに未だに僕のブローカーではフランは取引再開に至っておらず、更にボラティリティが落ち着くまでは待つしかないようだ。
ゼロカット業者なので致し方ないのだろうし、Alpariのように破綻しなかっただけ幸運と思うべきなのかもしれない。
それからもうひとつ思ったのが、1.20ユーロに指しておかないで良かったということだ。
上限があるのだからボーナスステージなんじゃないのかと欲が出る反面、何かのきっかけに突き抜けてもおかしくないという恐怖感もあり、後者が勝ることで自制していたのだが、
仮に指値を入れていたら結末としては考えられる中でも最悪なものを迎えていたように思う。