上映後解説(コルピ・フェデリコ×叶精二)
コルピ・フェデリコ
- イタリアからの長編は珍しい
- イタリアは60年代に人形アニメで隆盛したが80年代以降は衰退
- フランスのアニメーションに対する政府支援が手厚くクリエイターがそちらに流れてしまった形
- 現在はアニメーションスタジオは存在するがCM等を作ることが主で、長編映画は国営放送RAIの支援なしに作ることは困難
- 本作もメインスタジオはローマだが、CGは北アフリカ、美術はシチリアにアウトソーシングされている
- モチーフはエンドロールに出てくる実在する移民の子供
- イタリアはリビアから戦争難民、経済難民を昨年だけで8万人受け入れている
- 劇中に描かれた移民船のチケットは一生分の資産をつぎ込む必要があるほど高額
- 難民はまともに就労も出来ないためシチリアマフィアのカモにされ不法労働に就いている
- それが移民排除運動に拍車をかける状態に
- そうしたイタリアの社会情勢が多大に反映された作品になっている
叶精二
- 日本アニメの影響下にあり特になかむらたかしの影響が感じられる
感想
- エンドロールまで来てようやくテーマが理解できた作品で、それを見て解説も聞いて難民を寓話化した作品だと知ると見え方も全然変わってくる
- ただ子供向けであり単純にエンタメとして見るとそこまで面白いものではなかった