音の闇

1ヶ月くらい前だったろうか。突然、右耳がひどく詰まっている感じがして、聞こえが悪くなった。
戸惑ったもの、まあ寝て起きたら直ってるだろうとその日は眠りについた。
翌朝、聴力が戻っている様子は無い。といっても、そこまでひどいものではなかったので、とりあえずネットで調べてみた。
Googleツールバーの検索ボックスに「耳」と打ち込むと、「聞こえにくい」という候補が出てきたので、それで検索してみたところ、突発性難聴という疾患の症状に近いことが分かった。症状としては読んでそのとおり、突発的に耳の聞こえが悪くなるというものだ。
しかし、前述したようにそんなひどいものでもなかったし、病院に行く必要も無いだろうと放っておいたのだが、徐々に徐々に聴力は失われていき、気づいたときには右耳はほとんど聞こえなくなっていた。
左耳を塞ぐと周りの音は微かにしか聞こえてこない。とても怖くなった。まるで老人になったかのような心持ちに陥り、老いへの恐怖というものがどんなものなのか少し分かったようにも思えた。
流石に病院に行こうと決め、先刻、耳鼻科で診療を受けてきた。先生のいくつかの質問に応じ、彼はある器具を取り出し僕の耳の治療を始めた。ああ。これから長きに亘る通院生活が始まるんだろうなと僕はそう思った。
とりあえずの治療が終わり、先生はあるものを僕に見せた。僕は驚愕のあまり声を失ってしまった。看護婦は僕を哀れそうに見つめている。なんとそれは、とてつもないでかさの耳垢だったのだ!しかも両耳からである!


というわけで、みみくそ詰まってただけでした。てへ。
実は微妙に創作してる部分もあって、調べてるときに分かったんですが、突発性難聴って人によっては眩暈なんかも経験する場合のある疾患らしくて、アレちょっと違うなと。
んで、もう少し調べてみると、「耳垢栓塞」という疾患があるということが分かりました。これも読んで字のごとく、耳垢たまりすぎて耳塞がっちゃってますというもの。全く耳掃除をしてないことを顧みると、多少の不安は残しつつも、これだろうなと。
耳垢の量に関しては事実です。ギャグ漫画とかで登場人物が耳を指でほじってすげーでかいの出てくるじゃないですか。マジであれくらいありました。
で、耳垢取れた瞬間なんですけどね、世界変わりましたよ。最初戸惑ったくらいに。だって、なんかゴーゴー聞こえるんですもん。何かと、最初器具か何かが耳に入ってるのかなと思ったら、治療機器の稼動音だったという。こんな音すらも聞き取れなくなってたのかということにも驚いたもの、何より驚いたのが、急に聞こえにくくなる以前よりも聞こえやすくなったという。どんだけ耳垢溜まってたねん。俺。ちなみに耳という器官のスペシャリストがやってくださるだけに全く痛くないかったりします。お前らの嫁とか彼女マジ顔負け。
しかし、世界ってこんなにうるさかったんですね。スピーカーとかテレビのボリュームどんだけ上げてたんだよってくらい音楽やらアニメキャラの声がうるさい。つーか俺部屋でitunesと一緒に合唱しまくってたけど、あれ近所に丸聞こえじゃねーか。どんだけ恥ずかしいんだよ。さっきまでは微かな環境音、たとえば水を使う音とか全く聞こえなかったんですけど、そういうものがはっきり聞こえてきたり、ビニール袋かさかさする音とか、マウスのクリック音とかキーボードタイプする音とか、もう何もかもが戸惑うくらいにクリアです。
といっても、言葉にしても伝わりきらないと思うんで、しばらく耳掃除してないヤツは耳鼻科いってこい。まじでびびるから。そして共感してくれ。ただし、ごっそり溜まってるヤツは看護婦さん共々視姦されるから要注意な。ドMの僕はオールオッケーでしたけど^^ビンビンでしたよ。でも出来たらドS幼女がよかった。よしの先生の描く。