夢に、亡くした祖母が出てきた。
しかし、普段とは様子が違い、全体としてどこか白みがかっている。僕は恐れた。
祖母はそんな僕を抱きしめた。生前、いつもしていたように。
祖母の体は豆腐のように柔らかく、力をこめるとぐちゃぐちゃになってしまうように思えた。それで理解した。死んでいるんだと。
それがわかると、僕は恐縮した。
仏前に立つとそのことで常より後ろめたさを感じていたが、今の僕はあまりに情けない。祖母は厳しい人でもあった。
その祖母が今目の前にいるのだ。合わせる顔も無く、恐縮するほかなかった。
だが、祖母はそんな僕を否定せず、何も言わずに僕を抱きしめた。
少し泣いた気がする。