約束のネバーランド(第2期) #9

この作品の甘さは好きなところではあるんだけど、 ハッピーエンドを目指すあまり色々なものがおざなりになってしまっているように感じる。

とりわけ思うのが、融和という理想だけでなく種族間にある断絶という現実もちゃんと描いてほしかった。

バーバラたちの憎悪、一方で鬼たちの人間に対する感情があまりに簡単に描かれてしまっているように見えた。

自らをモルモットにされ、仲間たちを殺されてきた事でエマたちには無い強い憎悪がノーマンたちにはあるわけで、果たしてそう易々とそれほどの憎悪を手放せるだろうか。

ノーマンに関してはエマという存在がブレーキになったということで納得は行くのだけど、激しい憎しみの感情が描かれてきたバーバラなんかはかなり違和感があった。

相手を属性じゃなくて個人で判断でき、最後には赦すという選択肢を選べる人間だったのかもしれないけど、であればもっとちゃんと葛藤を描いてほしかった。

少なくとも鬼たちと同じ空間にいるなんて現状ではまだ堪えられないんじゃないだろうか。

まあその辺の役割は全てヴィンセント一人に担わされたのかもしれないけど。

鬼にしても同様のことが言えて、鬼の方のエマが今まで「食料」として見ていたものに対してあんなこと言えるんだろうか、もっとぎこちなくなるんではないだろうかと。

まあヴィルクの元で育ったから寛容なのかもしれないし、そもそも庶民の鬼は人間を知性ある存在と認識してなかった可能性はあるけど。さながら精肉のように。