メソポタミア文明入門 中田一郎

メソポタミアの歴史、文化、社会形態が概説されていて、ジュニア向けということもあって平易で読みやすい一冊だった。
6000年に及ぶメソポタミアの覇権争いの流れ、都市は大きなもので4-5万人規模だったという事実、
楔形文字トークンが元になっていてそこから文字へと発展する過程、
ハンムラビ法典は実は手引書に過ぎず法的拘束力がなかったのではないかという議論など、読んでいて面白い点は多かった。
また歴史学者や考古学者がいかに史料を読み解いてるのかが勉強になった。
例えば農耕の神に関する神話が登場するのだけど、そこから実際にどんな農耕を行っていたのかを推し量っていたりして、神話というのはこう読むものなのだなと。