かつて神だった獣たちへ #6-#10

・面白くて一気に5話も見進めてしまった。6話の敗北展開には驚いたし、そのままハンクからシャールにバトンタッチされたこともまた予想外だった。その意味はこの後明らかになっていくわけだけど、ここまでハンクの添え物のような存在だったシャールにこんな形で焦点が当たっていくとは正直思いもよらなかった。

・7話でシャール自ら父親を手に掛けることは主役が入れ替わったことのイニシエーションのような側面もあったけど、芝居がイマイチでシャールの悲壮感が全然伝わってこなかったのが残念だった。というかワチャワチャやってないでハナから神殺しの弾丸を使えばよかったのではとか思ってしまった。ついでに言うと南北戦争前後のアメリカをモチーフとしてる割には兵器が発達しすぎている違和感もある。

・続く8話ではシャール一人擬神兵に向き合うエピソードなったが、悪くはないけど全く意外性の無い内容だった。ハンクがいない分切り口も違うのだけど結局は殺されるに変わりはなく、ワンパターンなんだよな。シャールがあがいて話をかき回すくらいは合っても良かったのかなと。

・ハンクに再会するところでシリーズ終わるのかなと思ってたら意外と早く再登場。そして6話以降の展開は全てシャールがハンクのパートナーに成長するためのもので、言ってしまえばこの一連の展開全てがイニシエーションだったのだと分からされた。主人公の前に銃を構えて経つヒロイン。このシチュエーション、この構図がやりたかったことも物凄く伝わってきたし、個人的にもグッときた。身を挺して主人公を守るヒロイン、めちゃくちゃ好きな関係性ですわ。ここまでの積み重ねがあってだから尚更感じるものもある。それだけにハンクの方でも仲間を殺すことへの苦悩や葛藤、自身もまた理性を失いかねない恐怖といった心の弱さや揺れを掘り下げてきていたら尚良いものになっていたと思う。シャールについてもハンクと目的を共にする決意の一方で、擬神兵を救う道も模索してほしかったとも思う。野暮なこと言うとあの雪山でハンクの巨体を引きずって洞窟に運び込むのは無理あるやろとは思った。